上の商品を購入したものの、期待外れでした

何を期待し、何が残念だったのかを記しておきます

メーカー各社の方々の参考になれば幸いです

 

当方が期待したのは、なんと言っても

 

・一台のデバイスで文字入力とマウス操作が可能

 

ですから、こちらは問題なくクリアされています

ただ、そのために犠牲になっていることがあるとは

予想していませんでした

この、「犠牲になっていること」が

日常的な使用の大きな妨げとなっているので

結果として使わなくなってしまうのでは?

と懸念します

 

せっかくなら、愛用される商品であって欲しい

作ったメーカーの方こそ、そう思うのでは?

そこで、こちらが不便だと思う点を紹介しておきます

 

 

(1)キー配置がおかしい

 

 

上の写真を見比べてください

上は、テンキー付きの一般的なキーボードで

下が、今回レビューしている商品です

 

一般的なキーボードと比較して

「これは致命的な欠点」と思える

キー配列が異なる点を、赤と緑でくくっておきました

 

「かな入力」する場合

「ろ」(「バックスラッシュ」)の位置と

「む」(「]」)の位置がおかしいのは

かなりのストレスです

 

結論から述べると

どうしてこのような配置変更が必要なのか

合理的な理由がさっぱり想像できません

 

実際、ノートPCのテンキーレスキーボードと

本器とを比較した写真を掲げてみると

 

 

本体・筐体の幅はともかく

キーボード部だけで幅を比較すると

ノートPCの方が狭い=省スペースなのです

ノートPCでは変なキー配置の変更なんて

一切なされていません

ですから、

 

・省スペース化のためにキー配列を犠牲にした

 

とは考えられないのです

 

そういう意味では

無駄に使い勝手が悪くなっているだけで

合理的な理由もないキー配列の変更は

単なるデメリットとしかなりません

 

しかも、InsやDelのような特殊なキーも

下部に配置されているなど

違和感を覚えるキー配置が採用されています

これも、上で記した

テンキーレスのノートPCと比較すれば

省スペース化に寄与するわけでも

使い勝手の向上に寄与するわけでもないですから

このような配置が採用された合理的な理由が謎です

 

 

(2)Fnキーの存在理由

 

最近では、一般的なキーボードにも

Fnキーが搭載される場合があるようですが

当方が知る限りでは

本来はノートPCの省スペース化に寄与するもので

例えば

 

・Fn+↑:PgUpの代わり

・Fn+←:Homeの代わり

 

という具合です

つまり、一般的なキーボードには

もともとなかったFnキーを追加する理由は

他の多くのキーを不要にしつつ

その不要となったキーの機能は担保することで

省スペースにつなげるところにあります

 

では、本器の場合どうかというと

Fnキーがあるのに

Home, PgUp, PgDnなどの独立したキーが存在しているのです

だったら、なぜFnキーがあるのか?

しかも、どうせ独立したキーを設けるなら

Endキーも設ければ良いもののを、こちらはない

つまり、キーの取捨選択に関して、一貫性がないのです

 

この中途半端なデザインは何なんでしょう?

 

本器のFnキーは、NumLockキーと併用することで

キーの一部をテンキーとして利用できるようになっています

ただ、これもおかしなことです

だったら、NumLockキーを押せばいいだけなのです

Fnキーは必要ありません

あるいは、NumLockキーをなくして

Fnキー(刻印は青)を押しているときだけ

青い刻印のあるキーの文字が入力できるようにすれば済みます

特に後者の動作は、上で記した

PgUpやHomeの代替と同じ考え方ですから

NumLockを設けるよりも操作性は向上するでしょう

 

少なくとも、FnもしくはNumLockのいずれかは

削れるのに、両方を設置するのは

省スペース化には反するのです

 

キー配列については他にも難点はありますが

このくらいにしましょう

ポイントを整理すると

 

・ノートPCに採用された既存の優れたキー配列を捨て

・採用した独自配列は省スペース化につながらず

・使い勝手を悪くしているだけ

 

となります

 

では、キー配列とは別な難点に触れておきましょう

 

 

(3)トラックボールが使い辛い

 

キーボードの上部にトラックボールがあります

右側がボールで、左側がマウスボタンです

これが、何気に使いづらいのです

 

ボールが右上にあるということは

右手の指で操作することになるわけですが

右掌が、キーボードの右下に触れやすくなり

当然これは予期せぬキー入力に繋がります

ユーザーはこれを避けるため

右手を浮かせてボールを操作します

これが、マウスに比べてマウスカーソルの操作が

不安定になる原因となります

 

これは当方の勝手な想像ですが

トラックボールは単なるマウスの代替といういうよりは

グラフィックスなど、より繊細な作業が必要な場面で

本来は使われていたものなのでは?

他方、マウスを操作するスペースがいらないため

省スペース化につながることから

一般用途にも転用されたものと推察します

 

トラックボールは繊細な操作を可能にするからこそ

その操作には安定感が求められますが

本器はその安定感を損なっているのですから

トラックボールの利点を損なうことになります

 

本体そのものの省スペース化よりも

作業スペースの省スペース化を

狙ったデザインなのだとしても

マウスカーソルによる各種ボタンの選択がうまくできない

となれば、本末転倒でしょう

 

 

(4)省スペース化といえば

 

USBレシーバーや、Bluetoothを使った

無線接続としなかったのはなぜでしょうか?

 

有線接続にもメリットがあって

USB給電がなされることから

長時間作業が可能になります

 

つまり、本器は

何らかのトラブルが発生した際の一時しのぎというよりは

長時間、腰を据えての作業向けに

開発されたものと思われます

 

だったら、上記(1)〜(3)の欠点は

 

・一時的な作業だから仕方ない

 

と妥協できるものではありません

腰を据えた長時間作業が

省スペースでも可能になることで

初めて本器のメリットを活かせることになります

 

 

(5)総じて

 

残念な仕上がりであることは否めません

ただ、このような商品を開発する意欲は素晴らしいですし

きちんとしたものが仕上がれば

 

・単なる一時しのぎではなく

・長時間ストレスフリーで作業できる

・省スペースデバイス

 

として需要を喚起する可能性があります

改良された商品の登場を期待しています